Visaのレポートによると、米国消費者のほぼ半数が今シーズンのホリデーショッピングにAIを利用

グローバル決済テクノロジー企業 ビザ は、今シーズンのホリデーショッピングにおいて、価格比較や商品リサーチといった作業に米国消費者のほぼ半数がAIを活用していることを示す新たなレポートを発表しました。このレポートは、AI、ステーブルコイン、その他のデジタル決済イノベーションが世界中のホリデーショッピングにますます影響を与えているという、より広範なトレンドを浮き彫りにしています。

Visaの委託を受けてモーニング・コンサルトが実施した調査によると、消費者は利便性、セキュリティ、効率性を高めるテクノロジーを採用していることが明らかになっています。AIはギフトの選択と価格設定の最適化に活用され、顔認証などのツールは決済認証を効率化しています。新興市場ではデジタル通貨も普及しつつあり、よりテクノロジーと融合したショッピング体験への移行を示唆しています。

この調査は12カ国の消費者を対象に実施され、明確な世界的なトレンドが明らかになりました。AI、デジタルウォレット、そしてデジタル通貨が、ホリデーシーズンの消費行動に深く根付いているのです。セキュリティと不正防止は依然として最優先事項ですが、意思決定を支援するインテリジェントシステムへの信頼感も高まっています。特にZ世代を中心とした若い消費者の間では、テクノロジー主導のショッピングが、商取引の未来への期待を形作っています。

ホリデーショッピングにおけるAIの導入は、スペイン、シンガポール、南アフリカ、UAE、ブラジル、メキシコなどの市場で特に高くなっています。米国では、消費者の47%が少なくとも1つのショッピング関連の活動にAIを利用しているという回答があり、最も一般的な用途としては、ギフト探し、価格比較、商品リサーチなどが挙げられます。これは、インテリジェントツールが閲覧だけでなく意思決定もサポートする、AI支援ショッピング時代の到来を示唆しています。

暗号通貨とデジタルウォレットがホリデーシーズンの主役に

デジタル通貨は、特に若年層を中心に、ニッチな用途から主流へと移行しつつあります。米国では、Z世代の回答者のほぼ半数が暗号通貨の受け取りに熱意を示しており、これは一般人口のほぼ2倍です。ステーブルコインへの関心も高まっており、米国の送金利用者の41%が、将来的に国際送金にステーブルコインを利用する可能性が高いと回答しています。導入レベルは地域によって大きく異なります。ブラジル、メキシコ、南アフリカ、UAEの送金利用者はステーブルコインに対して最もオープンな姿勢を示していますが、英国では関心は中程度、ドイツは比較的慎重な姿勢を保っています。この傾向は、デジタル通貨の普及に向けた世界的な緩やかな、しかし不均一な移行を反映しています。

デジタルウォレットは、特に若い消費者の間で、世界中でますます好まれる決済方法になりつつあります。米国では、買い物客の約5人に1人がデジタルウォレットを好んでおり、特にZ世代は強い傾向を示しており、デジタルウォレットの使用は物理カードとほぼ同等です。導入パターンは地域によって大きく異なります。シンガポールとアラブ首長国連邦では、デジタルウォレットは信頼性、セキュリティ、スピード、利便性の点でカードや現金を上回っています。ブラジルでは、アクセスしやすさ、取引スピード、詐欺に対する保護意識から、デジタルウォレットの導入が進んでいます。ドイツは、他の欧州市場でデジタルウォレットの使用をリードする英国とは対照的に、依然として現金に大きく依存しています。現金の伝統が強い国でも、消費者は今後10年間で現金の使用が減少すると予想しており、これは世界的なデジタル決済への移行を反映しています。

セキュリティは依然として世界中で決済方法の選択を左右する主要な要因であり、回答者の10人中8人近くが極めて重要だと考えています。消費者はシームレスな取引を重視していますが、ますます巧妙化する詐欺行為への警戒感も依然として強いです。米国では、消費者の66%が友人や家族がオンライン詐欺の被害に遭う可能性を懸念しており、82%が二要素認証の有効化やパスワードの更新といった積極的な対策を講じていると回答しています。詐欺被害への対応は世界的に異なり、CEMEA（中央ヨーロッパ・中東・アフリカ）市場とラテンアメリカ市場で最も高い水準が報告されていますが、欧州諸国では比較的低い水準となっています。

Z世代は、変化の重要な推進力として台頭しています。デジタルウォレットと物理カードをほぼ同等に好むという彼らの傾向は、決済手段の普及、技術革新、そして消費者の期待に今後何年にもわたって影響を与える可能性のある世代交代を反映しています。この世代はまた、暗号通貨を含むデジタルギフトや、国際的な小売業者からのギフト購入を当たり前にしており、今シーズンは60%が国境を越えた購入を行っています。Z世代の影響は旅行にも及び、41%が昨年と比較してホリデーシーズンの旅行を増やす予定であることから、旅行への自信の高まりと体験型消費への関心の高さがうかがえます。