Aave、新モバイルアプリでDeFiの大衆化へ｜Apple Storeで提供

DeFiプロトコルAave（アーベ）の開発を手がけるAave Labsは17日、App Storeにて一般消費者向けアプリAave Appの提供を開始した。

このアプリは、DeFiの技術的な複雑さを抽象化し、直感的なモバイルインターフェースを通じて一般ユーザーがDeFiにアクセスしやすくすることを目的としている。

年利最大9％、ステーブルコイン対応で新たな選択肢に

Aaveプロトコルは、ユーザーが資産を預けることで利息を得たり、担保を提供して資産を借りたりできる非管理型の流動性市場である。エコシステム全体のTVLは300億ドルを超える。

新アプリ は、銀行の低金利に満足できないデジタルネイティブ層を主な対象とし、入金方法は銀行振込やデビットカードに加え、米ドルと連動するステーブルコインにも対応している。

預金には最低5％の年利が適用され、資産の種類や市場状況に応じて最大9％のリターンが見込める。

Aave Labsはこの戦略を「DeFiマレット」と呼び、直感的なユーザー体験と高度な機能性を両立させている。現在、iOS版のウェイティングリスト登録を受け付けている。

14チェーン対応、AI活用で利回り最適化も

Aaveは イーサリアム（ETH） やアバランチ（AVAX）、ポリゴン（POL）を含む14のブロックチェーンをサポートし、他では扱われにくいアルトコインでも利回りが得られる。

競合のCompoundや中央集権型プラットフォームと比較して、対応資産の幅広さが強みだ。

また、Appleのエコシステムとの統合も進んでおり、AIを活用したショートカット機能により、ポートフォリオの自動リバランスなど利回り最適化のタスクを簡単に実行できる。

これにより、 DeFi 利用の心理的ハードルが下がると見られている。

さらに、セキュリティ面では最大100万ドルの預金補償が用意されており、技術的な障害やセキュリティ侵害が対象となる。ただし、市場価格の変動による損失は含まれない。

Aave Labsのスタニ・クレチョフCEOは、新アプリについて「DeFiユーザーの次の波を取り込むための戦略的な一手」と述べている。