バンガード幹部、BTCをデジタル・ラブブと酷評｜年末急騰なるか？

米バンガードのジョン・アメリクス責任者は、ビットコイン（BTC）を「デジタル・ラブブ」と表現し、投機的な収集品に過ぎないとの見解を示した。

ラブブとは近年人気を集めるぬいぐるみのキャラクターであり、要するに「デジタルなおもちゃ」という評価だ。

世界最大級の資産運用会社がビットコインの投資価値を真っ向から否定した形となる。

年末に向けた急騰シナリオは実現するのか、それとも、新たな投資先を模索すべき局面なのか。

ビットコインは今後、収入もキャッシュフローも生まない

バンガードのアメリクス氏 は、ニューヨークで開催されたBloomberg主催の会議に登壇。

ビットコイン を長期投資の対象として認めない姿勢を鮮明にした。

同氏が問題視するのは、ビットコインが収入やキャッシュフローを生み出さない点だ。

株式や債券とは異なり、保有しているだけでは利益を生まないため、バンガードの運用哲学には合致しないという。

「永続的な経済価値を生み出す証拠がない限り、ビットコインは純粋に投機的な存在にとどまる」とアメリクス氏は強調。

この発言は、ビットコインを「デジタル・ゴールド」とみなす市場参加者の見方に真っ向から異を唱えるものである。

また、価格変動の激しさについても言及している。

歴史的な価格データが短く、安定した価値保存手段としては不十分との認識だ。

深刻なインフレや政治的不安といった状況下で有用性を示す可能性はあるものの、そうした環境での一貫したパフォーマンスは証明されていないと指摘した。

ETF開発は否定、助言も提供せず

バンガードは現在、顧客が自社プラットフォームを通じて他社の 現物ビットコインETF を取引することを許可している。

2024年1月のETFデビュー以降、実績が確認されたための対応だ。

しかし、バンガード自身が暗号資産（仮想通貨）に特化したETFを開発する計画はないと明言。

デジタル資産の取引に関する助言も提供しない方針を示している。

「顧客がETFを保有・購入することは許可するが、あくまで自己判断で行ってもらう。どのトークンを持つべきかについて助言することはない」と述べた。

同社はブロックチェーン技術とビットコインを明確に区別しており、技術には市場インフラを改善する可能性があると評価する。

一方、ビットコイン自体は生産的な経済活動から切り離されているとの立場を崩していない。

年末急騰の鍵を握る、新たなプロジェクトが登場

こうした大手機関投資家の慎重姿勢は、ビットコインに対する市場の不確実性を浮き彫りにしている。

現在BTCは9万ドル付近で推移し、10月の最高値12万6000ドルから約28%下落した状態だ。

しかし、暗号資産市場では新たなイノベーションが生まれ続けている。

特に注目されているのが、ビットコインに実用性を付加しようとするレイヤー2プロジェクトの Bitcoin Hyper（HYPER） である。

HYPERはビットコインネットワークのセキュリティを継承しつつ、ソラナ級の高速・低コストなトランザクションを実現することを目指す。

ビットコインを単なる価値保存手段から、ステーキングやDeFiが展開可能なプラットフォームへ進化させる構想だ。

仮想通貨プレセール ではすでに約3000万ドル近い資金調達に成功している。

バンガードが指摘するキャッシュフローを生まないという課題に対し、ビットコインに新たな収益機会を創出しようとするアプローチとして関心を集めている。

年末に向けたビットコインの急騰シナリオが不透明さを増す中、HYPERのような実用性を追求するプロジェクトが市場の新たな起爆剤となる可能性がある。