Bitcoin（BTC）は、12月の第2週を90,000ドルを上回る水準でスタートし、「サンタラリー」の話題が始まった。
BTCの価格動向は、90,000ドル台前半の主要なレジスタンスエリアに注目が集まっているが、トレーダーは依然としてもう一度下落が来ると見ている。
米連邦準備制度理事会（Fed）の金利決定週がリスク資産に影響を及ぼしており、大幅な利下げが行われるとの広範なコンセンサスがある。
Fedの決定が株式市場のサンタラリーの行方を左右すると分析されている。
Bitcoinにとって、季節性は今年の「ベアマーケット」底打ちのタイミングが2022年と似る可能性を示唆している。
オープンインタレストとレバレッジは依然として低調であり、ブル派にとってトンネルの先に光が見える可能性がある。
フィボナッチ水準がBTC価格の重要な下値支持に
Bitcoinの価格変動は週末にかけて再び活発化し、今四半期でますます頻繁に見られるパターンとなっている。
87,000ドル近辺まで下落した後、BTC/USDはCointelegraph Markets ProおよびTradingViewのデータによると、週末の終値を90,000ドル付近で維持し、その後短期的に不安定な動きを見せた。
BTC/USD 1時間足チャート。出典：Cointelegraph/TradingView
トレーダーたちは、両方向へのフェイクアウトに警戒していた。
トレーダーのCrypNuevoは、最新のXスレッドでBTCの50日指数移動平均線（EMA）をリテストのターゲットとして注目した。
「ショートを狙う場合、1D50EMAのリテストを見ており、95,500ドル付近で調整され、レンジの高値になると考えている」と予想した。
CrypNuevoは、Bitcoinにはロングに入るための「明確なベース」がなく、80,000ドル台前半のゾーンが依然として視野に入っていると述べた。
「両方向で清算が発生しているが、94,500～95,300ドルのゾーンではやや上方向の方が多い。もし価格が先にこの水準に到達すれば、80,000ドル台前半のリテストを狙ったショートシグナルを探す」と、取引所のオーダーブック流動性データのチャートとともに付け加えた。
BTC/USD 日足チャートと50EMA。出典：Cointelegraph/TradingView
暗号資産トレーダーでアナリスト、起業家のMichaël van de Poppeはより楽観的で、ローカル安値でのBitcoin買い手の「強烈な」プレッシャーに言及した。
「これほど強い買い圧力が発生していることから、今後数日で上昇し、92,000ドルを上回って維持するだろうと考えている」と、月曜日にXのフォロワーに語った。
「それにより、2026年以前に100,000ドルへのラリーが実現するだろう。」
BTC/USDT 4時間足チャート（RSI、出来高データ付き）。出典：Michaël van de Poppe/X
一方で、トレーダーのDaan Crypto Tradesはフィボナッチリトレースメント水準を使い、ブル派の防衛ラインを84,000ドルと指摘した。この水準は12月初めにリテストされた。
「これまでのブルマーケット全体の.382エリアをまだ維持している」と分析を添えた。
「ここはブル派が守るべき重要なエリアだと思う。ここを割ると、4月の安値を再び試すことになり、高いタイムフレームのマーケット構造が崩れることになる。」
BTC/USD 週足チャートとフィボナッチリトレースメント水準。出典：Daan Crypto Trades/X FOMC週、Fedは労働市場で苦境に
今週は米国のマクロ経済指標の発表が少なく、注目は完全に連邦準備制度理事会（Fed）に集まっている。
水曜日には連邦公開市場委員会（FOMC）が開催され、金利変更が決定される予定で、市場は0.25%の利下げを織り込んでいる。
12月10日FOMC会合のFedターゲット金利確率（スクリーンショット）。出典：CME Group FedWatch Tool
最近の雇用統計は労働市場の悪化を示しており、さらなる利下げの必要性が高まっている。分析によれば、Fedはインフレが依然として問題であり、利下げによって悪化する可能性があるため、難しい立場にある。
「非農業部門雇用者数は過去7カ月で5回減少しており、少なくとも過去5年間で最悪の状況だ」と、トレーディングリソースのThe Kobeissi Letterは米国雇用データに関する週末のX投稿で述べた。
「雇用市場の悪化は加速している。」
米国非農業部門雇用者数の月次変化。出典：The Kobeissi Letter/X
分析リソースのMosaic Asset Companyはより楽観的な見方を示し、リスク資産にとって理想的な追い風の組み合わせがあると見ている。
「インフレが目標を上回り、経済が順調で、S&P 500が史上最高値付近にある中、Fedは3会合連続で利下げに踏み切る見込みだ」と、定期ニュースレター「The Market Mosaic」の最新号で述べた。
Mosaicはさらに、「金融環境が緩和し、経済が成長を続けている中での利下げほど、株式市場を押し上げる強気な条件は想像できない」と付け加えた。
FOMC当日には、Fed議長Jerome Powellが金利発表後にスピーチと記者会見を行い、今後の政策方針に関するシグナルが注目される。
今週末、Kobeissiは2024年5月のFOMC記者会見でPowell議長が「スタグフレーション」のリスクを否定したことを「Fedがコントロールを失った日」と表現した。
2024年5月4日：Fedがコントロールを失った日。
— The Kobeissi Letter (@KobeissiLetter) December 6, 2025
Fed議長Powellはスタグフレーションへの懸念に対し、「スタグもフレーションも見当たらない」と回答。
18カ月後、インフレ率は依然3％超、労働市場はパンデミック以降で最も弱い水準。
資産を保有せよ。pic.twitter.com/gpBdXnfH7Y
サンタラリーの話題、Fedの条件付きで盛り上がる
株式市場が年末に向けて強気材料の「完璧なカクテル」を享受するなら、暗号資産のコメンテーターたちはすでに「サンタラリー」が波及する可能性について議論している。
サンタラリーは本物だが、タイミングはまちまちだ。
— Mister Crypto (@misterrcrypto) December 6, 2025
今年はサンタラリーがあるのか？👇 pic.twitter.com/YnsAjXqBbx
Cointelegraphが報じたように、暗号資産は第4四半期に株式市場を大きく下回り、S&P 500は新たな史上最高値まであとわずかとなっている。
ネットワークエコノミストのTimothy Petersonは、年末に向けてBitcoinにとって好条件が揃う傾向があると指摘した。
Bitcoin季節性チャート。出典：Timothy Peterson/X
一方、反対の立場を取るのは、暗号資産分析プラットフォームAlphractalの創設者兼CEOであるJoao Wedsonだ。彼はBTC/USDが2025年末に「横ばい」になると主張した。
「毎年、Bitcoinは平均170日間マイナス圏で推移している」と、累積マイナス日数のチャートとともに説明した。
「2025年にはすでに171日間のマイナス日数を記録しており、今年は横ばいの価格レンジで終わる可能性が高い。もしさらに大きな下落が来るなら、それは2026年になるだろう。」
Bitcoin価格と累積マイナス日数。出典：Joao Wedson/X
以前、Cointelegraphはサンタラリーの行方が依然としてFedの影響下にあると報じている。
「S&P 500が10月末から11月にかけて下落したのは、今月の追加利下げの可能性が低下したことと同時期だった。主要なFed当局者の最近の発言が利下げ期待を再び高め、株式市場の回復を促した」とMosaic Asset Companyも同意した。
Bitcoinにとって89,000ドルは新たな16,000ドルか？
Bitcoinの価格サイクルと季節性に関して、最新データはブル派にとって強気の見通しを維持する理由を与えている。
Petersonが今週末にXに投稿したデータによれば、今年のBTC/USDと2022～23年の動きを比較すると、長期的な価格の底打ちはすでに完了したか、間もなく到来する可能性が示唆されている。
2022年末、Bitcoinは15,600ドルという数年ぶりの安値をつけ、過去の史上最高値から80％下落した厳しいベアマーケットを経て底を打った。
2023年が始まるとすぐに反発が始まり、もし歴史が繰り返されるなら、hodlerは上昇モメンタムの再来まであと数週間待つだけかもしれない。
「89,000ドルは新たな16,000ドルだ」とPetersonはまとめた。
BTC価格比較。出典：Timothy Peterson/X
Cointelegraphが報じたように、2022年との比較は10月以降増えており、Bitcoinが連続する史上最高値の更新を突然やめ、6週間で36％下落した。
11月下旬、Petersonは2022年との価格相関が月次タイムフレームで98％に達したと述べている。
オープンインタレストがBitcoinの「無関心」を示唆
Bitcoinデリバティブ市場からの好材料が、全面的な市場ラリーの可能性を維持している。
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オンチェーン分析プラットフォームCryptoQuantの新データによると、Bitcoin取引所全体のオープンインタレスト（OI）は、BTC/USDが75,000ドルで取引されていた4月以来の最低水準に落ち込んでいる。
「この減少は通常、1）投資家の投げ売り、または2）投資家の無関心のいずれかを反映している」と、CryptoQuantのQuicktakeブログ投稿で寄稿者のCOINDREAMがコメントした。
「歴史的に、無関心と参加者の少ない時期は、押し目買いの好機となることが多い。」
Bitcoinオープンインタレスト。出典：CryptoQuant
COINDREAMは、BTC価格が最近の80,500ドルの安値からやや反発しているにもかかわらず、トレーダーはレバレッジを積極的に使っていないと指摘した。
「過度なレバレッジは通常、市場の方向性を鈍らせる。しかし、最近価格が反発したことでレバレッジ水準は正常化し、システミックリスクが低減した」と続けた。
CryptoQuantの推定レバレッジ比率指標（OIをBTC準備金で割ったもの）は、11月中旬以降大幅に低下している。
Bitcoin推定レバレッジ比率。出典：CryptoQuant 
