ヨーロッパ最大の資産運用会社AmundiがEthereum上でマネーマーケットファンドをトークン化

ヨーロッパ最大の資産運用会社であり、約2.3兆ドルの運用資産を持つAmundiは、自社のマネーマーケットファンドのトークン化された株式を初めてローンチしたことを発表しました。

同社によると、このファンドは現在、「Amundi Funds Cash EUR - J28 EUR DLT」とラベル付けされた新しいトークン化株式クラスとして提供されており、分散型台帳技術（DLT）を活用しています。

新しい株式クラスはパブリックEthereumブロックチェーン上に記録されており、パリ本社の同社は、これによりファンドユニットの透明な記録管理と全取引の追跡可能性が実現すると述べています。Amundiは、このローンチをデジタル資産戦略のマイルストーンと位置付け、トークン化をファンドインフラの近代化と投資家アクセスの拡大の手段としています。

この取り組みは、ヨーロッパ有数の資産管理サービスプロバイダーおよびトランスファーエージェントであるCACEISとの協力により構築されました。CACEISは、投資家向けのデジタルウォレットや、サブスクリプションおよび償還をサポートするブロックチェーンベースの注文プラットフォームなど、ファンドのトークン化のためのテクノロジースタックを提供しています。

「これは、安定コイン（EMT）または将来的に利用可能となる中央銀行デジタル通貨で支払可能な投資ファンドユニットの24時間365日サブスクリプションおよび償還サービスの提供という目標達成に向けた決定的な一歩です」と、CACEISのCEOであるJean-Pierre Michalowskiは声明で述べています。

両社は、ブロックチェーン統合がいくつかの利点をもたらすことを指摘しています：即時の注文実行、24時間365日の運用継続性、新たな投資家層へのリーチの可能性などです。また、ファンドは従来の流通経路を通じて完全にアクセス可能であり、トークン化株式は既存プロセスを置き換えるのではなく追加のチャネルを提供するものであることも強調しています。

Amundiのインスティテューショナル＆コーポレートクライアントおよびESG部門責任者であるJean-Jacques Barberisは、資産のトークン化は「今後数年で世界中で加速する変革」であると述べ、同社はフランスおよび国際的なクライアント向けにトークン化の取り組みを拡大し続けると付け加えました。

RWAトークン化の急速な拡大

ブロックチェーン上での実世界資産（RWA）のトークン化は2025年に急速な拡大を見せており、年初の時価総額152億ドルから11月27日には371億ドルにまで増加しています。

現在、Provenanceブロックチェーンがこの分野をリードしており、Figure Technologiesによる大規模な発行により、トークン化RWAの時価総額は139億ドルに達しています。Figure Technologiesは、米国で最大の独立系ノンバンク住宅担保信用枠オリジネーターであり、9月にNasdaqで上場しました。

Ethereumは2位で、トークン化RWAの時価総額は124億ドル、続いてZKsync、BNB Chain、Polygonなどでの小規模な発行が続いています。