米SECの新規則後、決定日が「無効」に：5つの主要候補のうち、10月に暗号ETFを通過するのは誰か

今回の暗号資産ブルマーケットにおける多くのカタリストの中で、ETF、特に現物ビットコインおよびイーサリアムETFは、革命的な金融ツールとして暗号資産投資のハードルを大幅に下げ、「資金の架け橋」として重要な役割を果たしています。2024年初頭にビットコイン現物ETFが承認されて以来、業界全体で1,000億ドルを超える機関資金が流入し、ビットコイン価格は6万ドルから現在の約11.35万ドルまで急騰しました。

現時点で、米国証券取引委員会（SEC）には92本の暗号現物ETF（単一資産型およびインデックス型を含む）が承認待ちとなっています。そのうち単一資産ETFは約69本で、24種類の異なるコインをカバーしています。これらの申請は主にGrayscaleやVanEckなどの機関から提出されており、最終決定期限の多くは10月に設定されています。

このような背景の中、米国証券取引委員会（SEC）は最近、暗号現物ETFの上場方法に根本的な変革をもたらす提案を承認しました。したがって、10月の承認状況は暗号ETFブームの転換点となるだけでなく、今回のブルマーケットの今後の方向性をも映し出すことになるでしょう。

米国SECが変更提案を承認、「個別審査」から「標準化審査」へ

9月7日、米国SECは三大取引所（Nasdaq、Cboe BZX、NYSE Arca）が提出した規則変更を承認し、「Commodity-Based Trust Shares（商品型信託持分）」の一般的な上場基準を導入しました。この基準は、現物商品（デジタル資産を含む）を保有する取引所取引型商品（ETP）を主な対象とし、個別審査の煩雑な手続きを置き換え、上場プロセスの簡素化を目的としています。

米国SECの委員長はこの文書について、「これらの変更はデジタル資産ETPに対するSECの監督が『慎重な個別審査』から『標準化された効率的な審査』へと転換したことを示しており、『投資家の選択肢を最大化し、イノベーションを促進する』ことを目的としている」と述べました。

新規則の主な内容は以下の通りです：

この規則は、3つの上場ルートを提示しています：

1. 商品がIntermarket Surveillance Group（ISG）加盟市場で取引されており、市場監視共有協定がある場合。
2. 商品先物がCFTC監督下のDCMで少なくとも6か月間上場されており、監視共有協定がある場合。
3. 既存のETFが米国全国証券取引所に上場されており、その資産の少なくとも40%が当該商品に配分されている場合、新しいETPは一部要件が免除される。

要するに、新規則は特定条件を満たす暗号資産ETFに「ファストトラック」を開きました。上記3つのルートに基づき、10月は初の新ETF上場の「爆発期」となる可能性があり、特にCFTC監督下で6か月以上先物契約がある資産が対象となります。

従来の決定日が「無効化」、ETF発行者は「同じスタートライン」に

新基準の施行は、すでに承認待ちだったETF申請に直接影響を与えました。9月29日、米国SECはLTC、XRP、SOL、ADA、DOGE現物ETFの発行者に19b-4申請書の撤回を要求し、発行者は新基準に従って上場を進める必要があります。申請の撤回はETF申請が完全に否決されたことを意味するのではなく、より効率的な監督ルートへの転換です。

注目すべきは、19b-4申請を撤回した後、従来の決定日（通常はSECが申請に対して最終判断を下す期限、例：提出後240日以内）はもはや参考にならない可能性があることです。新規則の下では、SECは厳格な締切日を設ける必要がなく、一般的な上場基準に基づき迅速に審査を行うことができます。

ETFがいつ承認されるかについては、発行者が新しい一般基準に基づき再提出または申請の調整を行う必要があり、追加の事務作業や短期的な遅延が発生する可能性があるものの、多くの関係者は承認スピードが「異常に速い」可能性があると楽観的に見ています。ETH ETFが撤回から承認まで数週間しかかからなかったように、10月中の承認も期待されています。

暗号資産記者Eleanor Terrettは、「トークンが既存の基準を満たしていれば、SECはS-1書類を提出するだけでいつでも暗号資産ETFを承認できる。したがって、これらの個別ETFの締切日が迫っていても、SECは理論上、いつでもいずれかまたはすべてのETFについて決定を下すことができる」と分析しています。

ただし、BloombergのETFアナリストJames Seyffartは、「すべてが不確実性に満ちている。さらに政府閉鎖の可能性もあり、状況は非常に不安定になる可能性がある」と警告しています。

現時点ではSECがS-1申請をどれほど迅速に処理するかは不明ですが、従来の決定日の予測性がなくなったことで、プロセスが最適化され、今後より多くの暗号資産ETFが市場に参入する際の遅延が減少しました。

5大候補、ETFレースをリードするのは誰か？

これまで承認待ちだったETF申請が「スタートライン」に戻ったものの、現時点でSECが発行者に撤回を求めた申請はLTC、XRP、SOL、ADA、DOGEのみであり、最初に承認されるETFはこれらから生まれる（またはすべて承認される）可能性を示唆しています。

1. XRP ETFs

XRP ETFは10月で最も注目されている焦点であり、現在7本のXRP ETF申請があり、Bitwise、21Shares、Canary、Grayscaleなどの機関が含まれます。以前は6つの申請が10月18日～25日のウィンドウに集中し、Franklin Templetonの申請は最遅で11月14日に決定される予定です。

XRP現物ETFの申請は2025年1月に提出され、Ripple訴訟の緩和後、SECは7月にコメントを受け付けました。XRP先物はCMEで1年以上上場されており、新規則の条件を満たしています。以前、BloombergのアナリストJames SeyffartとEric BalchunasはXRP現物ETFの承認確率を95%に引き上げました。この高確率の予測は、SECが申請書類に積極的に関与していることに起因し、アナリストはこの交流の度合いを「明確なグリーンライト」と見なしています。

さらに、XRPの大きな強みは、すでに規制当局によって商品と見なされていることであり、ETF申請の障壁を大幅に減らしています。

2. SOL ETFs

SOL現物ETFは現在最も注目されている申請の1つであり、VanEck、21Shares、Bitwise、Franklin Templetonなど7つの大手機関が参加しています。

9月27日、Fidelity、Franklin Templeton、CoinShares、Bitwise、Grayscale、Canary Capital、VanEckなどの資産運用会社が、米国SECにSolana ETFのステーキング運用の詳細に関する最新のS-1フォームを相次いで提出しました。

SECが発行者に19b-4申請書の撤回を求めた後、BloombergのETFアナリストEric BalchunasはSOL ETFの承認確率を95%から100%に引き上げました。彼は「正直なところ、今や承認確率は本当に100%だ……一般的な上場基準により19b-4フォームは全く意味をなさなくなった。今はS-1フォームの関連事項だけが残っており、SOL ETFはいつでも承認される可能性がある」と述べています。

ただし、BlackRock（ビットコインおよびイーサリアムETFの最大発行者）はまだSolana ETFの申請を提出していません。これはSolanaの規制リスクに対する慎重な姿勢を反映している可能性があります。

3. LTC ETFs

暗号市場で最も長く運用されているトークンの1つであるLTCは、2011年のリリース以来、高いセキュリティと分散性を維持しています。現在、Canary Litecoin ETF、Grayscale Litecoin Trust ETF、CoinShares Litecoin ETFの3本のLitecoin ETF申請があります。

以前はLitecoin ETFの10月10日が締切日で「開幕の目玉」候補とされていましたが、従来の決定日の「無効化」により、Litecoin ETFが最初に承認される可能性はやや低下しました。しかし、LTCの長期的な市場安定性、強いコンプライアンス、ビットコインに類似した技術構造により、依然として最初の上場候補となる可能性が高いです。

また、LitecoinはXRPやSOLのようにSECから証券と認定されたことがなく、ビットコインに近い商品属性を持っているため、規制上の障壁が大幅に低減されています。

4. Cardano (ADA) ETF

GrayscaleのCardano TrustはETFへの転換を計画しており、このETFのS-1書類は8月に登録され、以前の最終締切日は10月26日とされていました。Cardanoは学術的な基盤と持続可能性で知られており、この現物型ETFが承認されれば、初の非ETH PoSプラットフォーム製品となります。注目すべきは、GrayscaleのGDLC（デジタル大型株ファンド）が7月1日に承認されており、その中にADAも含まれているため、ADA ETFの承認確率がさらに高まっています。

5. DOGE ETFs

現在、Bitwise、Grayscale、21Sharesの3本のDOGE ETF申請があります。以前はSECが最遅で10月12日までに判断を下す予定でした。DOGE現物ETFが承認されれば、初のMeme ETFとなります。

まとめ

10月の重要なウィンドウ期間は、最終的な結果がどうであれ、暗号ETF史上の重要な転換点となるでしょう。それは関連する暗号資産の価格に影響を与えるだけでなく、機関資金が暗号資産に流入する規模とスピードを決定します。暗号市場は成熟に向かっており、10月のETF決定は主流の認知をさらに獲得するための重要な一歩となるかもしれません。