米国8月の非農業部門雇用者数が予想外の大幅減少、6月はマイナスに下方修正！金価格が史上最高値を更新

8月の米国雇用増加は明らかに減速し、失業率が上昇しました。これにより、労働市場が今後さらに深刻な悪化を迎える可能性への懸念が高まっています。

米国労働統計局が金曜日に発表したレポートによると、8月の非農業部門雇用者数はわずか2.2万人増加し、市場予想の7.5万人増を大きく下回りました。失業率はわずかに上昇し4.3%となり、2021年末以来の最高水準となりました。

8月の平均時給は前月比0.3%増、前年同月比3.7%増で、市場予想通りとなりました。

特に注目すべきは、過去2か月分のデータが合計で2.1万人下方修正されたことです。米国労働統計局は、6月の非農業部門雇用者増加数を1.4万人から2.7万人下方修正し、-1.3万人となりました。これは2020年12月以来初めての減少です。7月の非農業部門雇用者増加数は7.3万人から0.6万人上方修正され、7.9万人となりました。

データ発表後、ゴールドは史上最高値を更新し続け、一時3590ドル付近まで上昇。ドルインデックスは短期間で25ポイント以上下落しました。

修正後、米国の過去3か月間の雇用増加は平均でわずか29000人となりました。雇用者数は4か月連続で10万人を下回り、パンデミック以降で最も弱い雇用増加の傾向が続いています。

以前の7月の雇用レポートでは、5月と6月に創出された雇用が従来の推計より25.8万人少なかったことが示され、米国大統領トランプはこのために労働統計局長を解任し、彼女が政治的利益のためにデータを操作したと非難しました。

金曜日のレポート発表前、民間雇用サービスプロバイダーADPが木曜日に発表したデータによると、先月の民間部門の新規雇用は5.4万人増加し、労働省が発表したデータでは、先週の新規失業保険申請者数は23.7万人で、6月以来の最高となりました。

業種別で見ると、非農業部門レポートによれば、教育と医療サービスが最大の雇用創出分野で、当月は46000人の従業員が増加しました。最も大きな損失を被ったのは耐久消費財とビジネスサービス業で、8月にはそれぞれ1.9万人、1.7万人の雇用が減少しました。

これら最新の労働市場データは、雇用市場の持続性に対する懸念をさらに強める可能性があります。ここ数か月、米国の雇用増加は大幅に減速し、求人件数が減少し、賃金の伸びも鈍化しており、これらすべてがより広範な経済活動に圧力をかけています。

先物トレーダーは、FRBが今月から急速かつ連続的に利下げを開始するとの賭けを強めており、9月の会合での利下げを引き続き予想しています。FRB議長パウエルは先月、FRBジャクソンホール年次シンポジウムで利下げのシグナルを発し、政策決定者は今月の会合前に最新のCPIデータも確認する予定です。

AmeriVet Securities米国金利取引・戦略責任者Gregory Faranelloは、「雇用市場はすでに弱含みとなっており、雇用増加が公共部門から民間部門へ移行するには、より低い金利が必要です。FRBは今月から利下げを開始し、その後も一連の利下げが続くと予想しています。フォワードカーブは、2026年末までに金利が中立水準まで低下することを示していますが、このタイムラインは前倒しになる可能性が高いです。」と述べています。

市場の反応について、金融会社Miller TabakのチーフマーケットストラテジストMatt Maleyは、「通常、株式市場の投資家はFRBがよりハト派的になる可能性に興奮します。これは確かに最初の反応となる可能性が高いです。しかし、歴史が示すように、利回りの低下が経済成長の大幅な減速を示唆する場合、それは株式市場にとってネガティブです。」と述べています。