仮想通貨市場は木曜日、ビットコインが一時11万2000ドル台まで下落した後に反発し、投資家心理は「恐怖」ゾーンから中立へと戻った。ただし、アナリストらは依然として先行きのボラティリティに注意を促している。

水曜日、コインベースでのビットコイン（BTC）は11万2350ドルまで下落し、8月の高値12万4000ドル超から10％の調整となった。この動きにより、恐怖強欲指数は2か月ぶりの低水準となる44に落ち込んだ。

しかしその後、木曜日の早い時間にビットコインは11万4500ドルを回復。これを受けて同指数は50に回復し、中立の水準に戻った。

ブロックチェーン分析企業サンティメントのアナリストは、「予想どおり、仮想通貨市場は反発を始めた」と 述べたうえで 、「さらなるFUD（不安・不確実性・疑念）に注意が必要だ」と警告した。加えて、「市場は群衆心理とは逆方向に動く」とも付け加えた。

サンティメントによれば、現在ソーシャルメディア上で注目度が高まっている仮想通貨には、ビットコイン、テザー（USDT）、XRP（XRP）、カルダノ（ADA）、そしてSNEKというあまり知られていないミームコインが 含まれている 。

感情は炎のように揺れる

「ビットコインで最も皮肉な現象の一つは、感情だ。それは炎のように揺れ動く。ある瞬間には熱狂、次の瞬間にはパニック。こうした感情の中で多くのビットコインが売買されてきた」と、仮想通貨起業家でトランプ米大統領の仮想通貨アドバイザーであるデイビッド・ベイリー氏は Xに投稿し 、長期的な視点を保つよう促した。

仮想通貨トレーディングソフトウェア企業シグナルプラスのインサイト責任者オーガスティン・ファン氏は、「過去1週間、マクロ経済要因が短期的な逆風となり、仮想通貨価格は膠着状態にあった」と述べた。

さらに、ベッセント財務長官が「戦略的ビットコイン準備金のために追加購入を行う予定はない」と述べ、投資家を失望させたと指摘した。ただし、ベッセント氏はその数時間後にXの投稿で発言を 撤回している 。

仮想通貨全体の時価総額は過去24時間で2％上昇し、3兆9600億ドルまで回復。ただし、今週さらに大きな変動が起こる可能性もある。

ジャクソンホールでのFRB議長発言に注目集まる  

投資家の関心は金曜日に予定されている米連邦準備制度理事会（FRB）のパウエル議長のジャクソンホールでの講演に集まっている。過去の例からも、このイベントは市場に大きな影響を及ぼす傾向がある。

ビットコインソリューション企業ビットゴーは「パウエル議長の発言が株式市場と仮想通貨市場を揺るがす可能性がある」と コメントしている 。

また、CNBCのトレーダーであるラン・ニューナー氏は「ジャクソンホールが仮想通貨の今後の方向性を決定づけるだろう」とし、「トランプ氏は妥当な理由で利下げを求めているが、パウエル氏は応じるだろうか？」と 投稿している 。

CMEフェドウォッチ による予測では、9月17日の利下げ確率は現在82％と高いものの、この数値は下落傾向にある。

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